いつの日かわかりませんが、旅行やお出かけに行った子どもたちがお土産を買ってきてくれるようになりました。
お土産を配っている際の子どもたちの表情はどこか誇らしげで、「ありがとう」と言ってほしい気持ちが隠しきれていません(笑)
誰かがきっかけとして始まったお土産の輪が、自然と広がっていくのは素敵ですね。
先月、小学校6年生の男の子が修学旅行のお土産を持ってきてくれました。
何気ない日常の一コマですが、指導員からすれば感動のお土産でした。
1年前、このお土産を買ってきてくれた男の子は不登校でした。
はじめてこの施設を訪れた時の小さく丸まった背中が、印象に残っています。
自身のなさそうな彼の姿を見て、こちらの胸が痛くなるほどでした。
それから、彼の自信を取り戻すための日々が始まりました。
発達段階に応じた学習支援ではつまづいているところから一からやり直しました。
得意なことをのばすための体操とリトミックでは、彼の運動神経の良さが光りました。
集団でのふるまいと楽しさを学ぶための話し合い活動では、友達と関わることの楽しさを取り戻すことができました。
そういった日々を積み重ね、彼は再び学校に行くことを決めました。
しかし、学校に行くと思うようにならないことはあります。
同級生とそりがあわず、再び学校に行くことが嫌になってしまいます。
それでも、彼と話し合い、保護者と話し合い、学校との話し合いを経て、彼は学校に行くことを決断しました。
そういった一つ一つの壁を乗り越えてたどり着いたのが修学旅行への参加でした。
ましてや、お土産まで買ってきてくれたので感動してしまいました。
彼の次の目標は、卒業式に参加することです。
胸を張ってその日を迎えられるように、支援をしていきます。